2012年4月18日水曜日

陸前高田市エコタウン鳴石の視察


 岩手県沿岸地域の復興に向けた景観形成の基本的考え方の検討のため、陸前高田市の「エコタウン鳴石」 を視察しました。 
http://www.iwate-tjk.or.jp/building_lot/naruishi.html



 環境との共生をテーマに、宅地が造られています。土地利用を大きく分けると一般の方に分譲する宅地72戸、公営住宅、公共用地(道路、公園など)に分かれています。


一般分譲区域の緑道と宅地(背中面で申し訳ありません)


公営住宅区域の様子1(瓦屋根と白壁が特徴的です)


公営住宅区域の様子2(瓦屋根と木の壁が特徴的です)


公園の様子
(太陽光パネルで環境用水をくみ上げる仕組みのようですがこの日は動いてませんでした)

 担当者Oの個人的感想ですが、一般分譲区域はそれぞれにデザインの違いがあるため、統一感や地域性が少ないが、変化は感じる。一方で公営住宅区域は同様のデザイン(瓦と木、白壁)が立ち並ぶことで統一性はあるのですが、それが強すぎて逆に違和感を覚える。といった感じです。

 公営住宅区域は宅地と道路配置に変化を持たせることで見た目の違和感は軽減出来ると感じました。これは造成当初から検討する必要がありますね。
また、少し高い樹木があると良くなるのかなと感じます。これは時間がゆっくりと育んで行くのでしょう。

 これから、岩手県沿岸部では、高台への集落移転が行われます。エコタウン鳴石は身近に宅地造成、家のデザインについて考えることが出来る事例だと思います。

玄界島における景観形成の取り組みの視察

 いわて景観まちづくりセンターでは岩手県都市計画課と協働で、岩手県沿岸地域の復興における景観形成の基本的な考え方の検討を行っております。
 玄海島は福岡県西方沖地震(平成17320日)により大きな被害を受けました。しかしこの被害を克服して斜面地に集落を再生しています。
 福岡市では被災住宅が密集している地区の住環境改善及び災害防止を図るため小規模住宅地区改良事業により土地の買収や建物の除去、その後の戸建て用地の造成、住宅建設、道路・公園等の公共基盤整備を行っています。
 またこれにあわせて漁港施設、小・中学校等の公共施設の災害復旧事業を、島民の意向を踏まえながら一体的に実施しました。



港からの集落の様子(斜面に家々が並んでいます)



海が見えるように宅地造成されています

 
夕日が美しい漁港でした


 玄界島では、3年で帰島という目標を掲げて島民の方が一体になり復興に向けた取り組みを行いました。その結果島民の方の多くが戻ってこられたようです。事業期間は復興するにも重要なことは再認識させられました。
 島の方に意見を聞くと、以前に比べて住みやすくなった。一方で景観を考慮するなどして、島の将来の観光なども考えられれば良かったなどの意見をうかがうことが出来ました。
 
 島で、漁師をしている宮川さんにお話を聞くことができました。ありがとうございました。
http://www.shop-online.jp/gennkai/
 (宮川さんのオンラインショップです。塩辛、鮮魚など準備しています)
 
 今回の視察により、岩手県沿岸の復興に向けた景観形成の考え方を検討する大きな視点を得ることが出来ました。